まずは基本!手紙の書き方とマナーLetter-writing basics & manners
時候の挨拶
時候の挨拶は、季節感を表す手紙の書き出しに使う礼儀文で、季節や天候に応じた言葉を使います。頭語(拝啓や前略)の後に1マス開けて同じ行に書くのが決まりです。
「時候の挨拶」の後に「安否の挨拶」を続けて書くと、すっきりと読みやすい文章に仕上がります。代筆でも、基本的にはこのような流れで手紙を作成致します。
公的な手紙やビジネス文章など改まった場面では、「〇〇の侯」「〇〇のみぎり」「〇〇の折」などを良く見かけるのではないでしょうか。これも時候の挨拶です。私的な手紙では、このような挨拶を使うと硬くなりますので、口語調で親しみやすい文章を書きます。
それでは、月ごとの時候の挨拶の例文を見て行きましょう。月ごとに分けてはおりますが、気候や天候は毎年同じではありません。代筆を行なう際には、その時の状況次第で言葉をかえて季節の挨拶をしております。
1月(睦月)の時候の挨拶
初春の侯、新春の侯、迎春の候、酷寒の候、厳寒の候、極寒の侯、寒冷の候、大寒の候、厳冬の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・新春のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・厳寒の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・新たな年が始まりましたが、皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- ・寒の入りを迎え、ますます寒くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- ・今年は例年にない寒さと伺っておりますが、お元気でしょうか。
- ・初春とは名ばかりの、寒い日が続いております。
- ・大寒の候、例年よりも今年は暖かな日が続いている様子です。
2月(如月)の時候の挨拶
残寒の侯、余寒の侯、残冬の候、晩冬の候、立春の侯、向春の候、春雪の候、梅花の侯、紅梅の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・残寒のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・向春の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・寒さも少しずつゆるみはじめましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- ・いよいよ受験シーズンとなりましたが、体調など崩されておりませんか。
- ・例年にない大雪のニュースを耳にしますが、いかがお過ごしでしょうか。
- ・暦の上では春とは申しますが、寒い日が続いております。
- ・梅のつぼみがほころび始め、春の訪れが楽しみです。
3月(弥生)の時候の挨拶
早春の侯、春分の侯、春陽の候、春暖の候、浅春の侯、軽暖の侯、弥生の候、若草の候、萌芽の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・早春のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・陽春の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・春の風が心地よい季節となりましたが、皆様お変わりございませんか。
- ・日増しに暖かくなって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- ・花冷えの季節ですが、お元気でお過ごしでしょうか。
- ・少しずつ寒さも緩み、温かな日差しに春を感じる季節になりました。
- ・桃の節句が過ぎ、一気に春めいて参りました。
4月(卯月)の時候の挨拶
春日の侯、春和の侯、春粧の侯、春眠の侯、陽春の候、仲春の候、温暖の候、桜花の侯、花冷えの候
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・春日のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・桜花の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・桜の頼りが聞こえてくる今日この頃ですが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
- ・すっかり春らしくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- ・春の暖かな風が心地の良い季節となりました。
- ・春の日差しが心地の良いうららかな春日和です。
- ・満開の桜が、まるで門出を祝福してくれるように感じます。
5月(皐月)の時候の挨拶
晩春の侯、暮春の侯、惜春の侯、初夏の侯、立夏の侯、薫風の候、新緑の候、若葉の候、軽暑の候
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・新緑のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・薫風の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- ・青葉がまぶしい季節となりましたが、皆様お元気にお過ごしのことと存じます。
- ・暦の上では夏となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。
- ・風薫る五月となりましたが、新しい学校にも慣れましたか。
- ・こいのぼりが空で泳ぐ、気持ちのよい季節です。
- ・新緑が心地の良い季節となりました。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
6月(水無月)の時候の挨拶
入梅の侯、梅雨の侯、長雨の侯、初夏の侯、小夏の侯、薄暑の候、向暑の候、青葉の候、深緑の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・入梅のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・小夏の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・紫陽花が雨に映える季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- ・長雨が続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。
- ・梅雨とは言え、好天の日々。
- ・こちらは空梅雨にむされ、暑さひとしをの日々が続いております。
- ・暑さが日ごとに増しております。
7月(文月)の時候の挨拶
仲夏の侯、盛夏の侯、大夏の侯、炎暑の侯、猛暑の侯、酷暑の候、大暑の候、灼熱の侯、梅雨明けの侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・盛夏のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・大暑の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・梅雨が明けてから猛暑が続いていると伺いましたが、皆様お元気でしょうか。
- ・蝉の声が本格的な夏を運んできましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
- ・酷暑の侯、夏バテなどされていませんか。
- ・夏祭りのにぎわう季節となりました。
- ・涼しげな風鈴の音が聞こえてくる季節となりました。
8月(葉月)の時候の挨拶
暮夏の侯、晩夏の侯、立秋の候、向秋の侯、秋暑の候、残暑の侯、避暑の侯、納涼の侯、新涼の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・暮夏のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・残暑の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・夏休みもあと少しとなりましたが、子どもたちはいかがお過ごしでしょうか。
- ・暑さもやっと峠を越えたようですが、お元気ですか。
- ・朝夕に秋の気配を感じられるようになって参りました。
- ・立秋とは言え、厳しい残暑が続いております。
- ・蝉しぐれが、夏の終わりをつげております。
9月(長月)の時候の挨拶
初秋の侯、早秋の侯、仲秋の侯、秋晴の候、秋雨の侯、秋分の侯、涼風の候、白露の侯、野分の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・初秋のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・秋晴の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・今年は厳しい残暑が続いておりますが、お元気にお過ごしでしょうか。
- ・朝夕と過ごしやすくなって参りました、お変わりございませんか。
- ・秋の気配が日ましに濃くなって参りました。
- ・澄んだ秋空が気持ちの良い季節となりました。
- ・虫の音が秋の夜長を心地よく過ごさせてくれています。
10月(神無月)の時候の挨拶
秋涼の侯、秋月の侯、錦秋の候、清秋の侯、菊薫る侯、菊花の侯、紅葉の侯、涼寒の候、初霜の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・秋涼のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・清秋の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・街路樹が少しずつ色付き始める季節となりましたが、皆様お変わりなくお過ごしですか。
- ・澄み切った青空が心地の良いこの頃ですが、お元気でお過ごしでしょうか。
- ・秋の長い夜。いかがお過ごしでしょうか。
- ・秋もようやく深まり、山の木々が色づいて参りました。
- ・日ごとに秋が深まっていくような感じがします。
11月(霜月)の時候の挨拶
晩秋の侯、深秋の候、暮秋の侯、残菊の侯、落葉の侯、立冬の候、向寒の侯、深冷の侯、氷雨の侯
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・晩秋のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・立冬の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・肌寒い日が続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
- ・枯葉の舞い散る季節となりましたが、変わらずにお過ごしでしょうか。
- ・日が暮れるのが早くなりました。冬はすぐそこまでやってきています。
- ・木枯らしがふき、朝夕の寒さが身にしみる季節になりました。
- ・山の頂きが白くなり、秋もそろそろ終わろうとしています。
12月(師走)の時候の挨拶師走
初冬の侯、季冬の候、霜寒の侯、激寒の侯、寒冷の候、初雪の侯、新雪の侯、歳末の侯、師走の候
- *侯を、みぎりや折に代えても使用出来ます。
- ・師走のみぎり、〇〇様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ・初冬の侯、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
親しい方への手紙に使う時候の挨拶
- ・本格的に寒さが身にみしる頃となりましたが、ご家族皆様お元気でお過ごしでしょうか。
- ・今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- ・年の瀬を迎え、慌ただしい日々をお送りしていることと存じます。
- ・赤と緑のクリスマスカラーに染まった街並みが心を浮き立たせる季節となりました。
- ・師走を迎え、なにかと気忙しく日々が過ぎて行きます。