スピーチを依頼された時に知っておきたいことThings to know about speeches
冠婚葬祭のスピーチや手紙に使う文房具
結婚式の祝辞や葬儀の弔辞など、スピーチを頼まれた際に、どんな便箋を使えば良いのか、どんなペンで書けば良いのか、悩まれる方は多いのではないでしょうか?
今回は、スピーチの文章を書くのに必要となる文房具を確認してみましょう。
代筆をご依頼の際には、清書する時にお役立て下さい。
◆祝辞のマナー
結婚式の祝辞を述べる際に、その祝辞をどんな紙に書くべきか、悩んでいる方はいませんか?
暗記するからメモ程度のものを持って行くと言って、手のひらにおさまるほどの紙を持って祝辞を述べる方もいれば、しっかりとした用紙をご準備される方も。
どんな紙に祝辞を書けばよいのか、考えてみましょう。
メモ
結婚式等でスピーチをする際、紙を見続けて読み上げて行くのはNGとまでは言いませんが、新郎新婦や会場内のゲストの皆様を見ながら話をするのが好印象です。もちろん完全に暗記するのは大変ですから、メモ程度のものを持って話をしましょう。
メモは、大切なお守り代わり。困った時に頼れる存在です。
メモと言っても、コピー用紙やノートの切れ端、メモ帳などは見た目が良くありませんのでNGです。
真っ白な、手のひらサイズの紙に準備しましょう。
もちろん、メモに全てを書くことは不可能です。話の基本的な流れや、忘れてはいけない部分(例えば新郎新婦の名前など)を書いておきます。〇〇の賞を新郎が受賞した話などをする際は、賞の名前を度忘れしないようにメモしておきましょう。
自分の順番が来てから慌ててポケットをガサガサとあさる方がいますが、スマートではありません。メモは先に準備しておきましょう。
式辞用紙
文房具屋さんで「式辞用紙」と言うものが販売されています。アコーディオン状に折りたたんでいる便箋を読み上げる、昔ながらの方法です。
入学式や卒業式でPTAの代表の方が使っているのを、皆様も見たことがありますよね。結婚式でも主賓からの祝辞などでも、よく利用されています。
誰かに渡したりしないのなら、手作りも可能です。ただし、ペラペラのコピー用紙で作成すると、安っぽさが感じられてしまいますので、用紙に気を配りましょう。市販の物でも、長さが足りずに継ぎ足す際には自分でカッターや定規、のりを使って継ぎ足していくようになります。誰にも見せないのなら、パソコンで書いて印刷したものを切り取って、式辞用紙に貼り付ける方法もおすすめです。
式辞用紙の良いところは、何と言っても「見ながら話しても様になる」ところでしょう。
暗記は素敵ですが、緊張のあまり何を言うのかわからなくなり、伝えたいことが何一つ伝えられないまま終わってしまったなど、後悔が伴う危険性もあります。
その点、式辞用紙なら、伝えたいことをしっかりとお話することが出来ます。
手紙
友人からのスピーチの場合、最近は新郎新婦宛ての手紙を書いて、それを読み上げるのが人気のスタイルです。手紙の場合は、封筒から便箋を出し、読み上げたら新郎新婦にプレゼントするのもよくある演出となっています。
手紙を書く際に気を付けて頂きたいのが、安っぽいレターセットを使わないことです。キャラクター物が透けて見えたりすると、新郎新婦の職場の上司などが眉をしかめてしまうでしょう。
厚手で誰から見られても問題のない、シンプルで上品、上質なものを選んで下さい。
暗記するべき定型文
祝辞は、暗記した方が格好良いですが、読みながらでもかまいません。新郎新婦も、ゲストの皆様も、暗記やエンターテイメントをあなたに求めているわけではありませんので、エピソードを交えながらあなたの視線で見た新郎新婦のお話をして下さい。
しかし、暗記するべき定型文が少しだけあります。結婚式に出席したことのある方なら、まず聞いたことがあるであろうフレーズです。
「〇〇さん、〇〇さん。本日は誠におめでとうございます。両家・ご親族の皆様にも心からお祝い申し上げます。只今ご紹介にあずかりました、新婦〇〇さん友人の〇〇〇〇と申します」
ここまでは、何も見ずに挨拶出来るよう、準備しておきましょう。
◆葬儀のマナー
奉読後は祭壇に備えられる弔辞。最終的に遺族が保存しますので、マナー違反のことをしてしまうと恥ずかしい思いをしてしまうことも。しっかりとマナーを守って弔辞を書き上げましょう。
また、お香典返しにつけるお手紙などにも、マナーがあります。冠婚葬祭のマナーは、お相手を嫌な気持ちにさせないための、大切なルールです。
弔辞
弔辞は、「涙で墨が薄まってしまいました」と言う意味で、薄墨を使って、筆(筆ペン)で大判の奉書紙か巻紙に清書するのが正式な方法です。楷書で丁寧な文字で書きましょう。
最近では、筆ペンに慣れていない方にとっては書き辛いことから、慶弔用のサインペンも販売されています。ペン先が硬くて書きやすいのが特徴です。
格式高い正式な場でない場合には、ペンで書かずにパソコン用の式辞用紙に印刷してしまう方も増えて来ています。
白い封筒にいれますが、封筒の中に、薄い紙が入っている二重封筒は避けて下さい。「不幸が重ならないように」と言う意味から、一重の物を使用しましょう。
挨拶状、案内状
葬儀から日数が経ってから送る、忌明けの挨拶状や法要の案内等の手紙の場合は、必ずしも薄墨を使う必要はありません。
普通の筆(筆ペン)で書くことで、「悲しみにくれていた日々も落ち着き、今は穏やかに故人を偲びながら暮らしています」と、相手を安心させる意味合いがこもるのです。
ややこしいことに、弔事は全て薄墨で書くと考える地域もありますので、地域の習わしに合わせて書きましょう。
手紙
遠方に住んでいる方から訃報のお知らせを聞いた際には、手紙を添えて香典を送りますし、香典返しに手紙を書くこともあります。その際に、便箋や封筒に悩む方もいらっしゃるでしょう。
やはり和紙のものをお選び頂いた方が印象が良くなります。落ち着いた菊や百合、あやめなどの柄がおすすめです。もちろん無地でも問題ありません。親しい間柄の方であっても、華やかな色合いのものや、ポップなイラストが載ったものなどは避けて下さい。
お手紙を書く際には、「不幸が重ならないように」という想いから、便箋は1枚に収めて下さい。
通常の手紙ですと、手紙を1枚で書き終わってしまった際には、もう1枚便箋を重ねるものです。これは「1枚は縁起が悪いと言われるから」「紙が貴重だった時代に、相手の返信用の便箋を気遣って入れていたことの名残」などと言われています。
封筒も同じです。二重封筒が販売されていますが、便箋同様封筒も1枚のものを使うのがマナーです。
ペンにつきましては、薄墨の筆ペンで書かれる方が多いですが、万年筆やボールペンでも全く問題ありません。